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iPhone関連イベントを展開する4001fieldと三栄書房は2日、都内で東北地方太平洋沖地震の被災者支援を目的としたチャリティイベントを開催した。イベントでは、被災地の現状リポートのほか、災害発生など緊急時に役立つiPhoneアプリの紹介、震災とテクノロジーをテーマにしたディスカッションなどが行われた。同イベントのなかでiPhoneに関連した内容を中心に当日の模様をお届けする。
東北地方太平洋沖地震の発生後、iPhoneアプリのなかで注目を集めたのが、緊急時に役立つアプリだ。今回の地震発生直後、多くの場所で携帯電話による通話が困難になり、安否確認さえままならない状態に陥った。震災後の状況を踏まえた上で、iPhone Magazine編集部の阿部大亮氏が有用なアプリを4つ紹介した。
1つ目はラジオアプリの『スーパーラジオ - 節電版』(無料)。最大の特長は、バッテリの消耗を抑えながらも、ラジオが聞けること。今回のような大規模災害発生時には、iPhoneの充電を普段のように手軽に行えるとは限らない。節電でき、緊急時の情報源として、役立つアプリになりそうだ。
2つ目は『つぶえき』(230円)。任意の駅、路線、街に関連したTwitterのツイートを表示してくれるアプリ。震災発生当日、鉄道網が麻痺し、帰宅難民となった人が多かったが、タイムリーな鉄道の稼働状況を知るためには役立つアプリになるといえるだろう。
3つ目は多機能ナビゲーションアプリの『MapFan』(通常価格は2300円、4月4日現在無料)。大容量のマップを搭載し、オフラインで活用できるのが最大の特長だ。住所検索や駅名検索、GPSを活用した現在地確認もオフライン状況下で可能となっており、通信網が不安定になりがちな大規模災害発生には心強い味方になってくれるだろう。
このほか、オンライン上で活用できる機能もあり、音声ガイドや交差点拡大を備えたルート検索機能も備え本格的なナビとして活用することもできる。
最後は『Skype』(無料)。地震発生直後は、通話できない状態に多くの人が陥った。そのなかでも、インターネット回線を使った「Skype」は比較的通じやすく、安否確認の連絡がとりやすかったとされており、iPhoneに入れておきたいアプリだ。
地震発生後、緊急時に役立つアプリなど、有料アプリの無償提供を行ったiPhoneアプリ開発者がいるが、どのような思いで無償提供を実施したのか。イベントでは、ナビゲーションアプリ『MapFan』の無償提供に踏み切ったインクリメントP代表の神宮司巧氏がそのいきさつについて語ってくれた。
同社では、地図情報の制作担当が被災地の岩手にあったこともあり、被災地に向けて何かできないかという強い想いから、アプリの無償提供の検討が始まった。
無償提供に当たって課題はあった。『MapFan』にはオンラインで動く機能もあり、無料化にすることで、アクセスが集中すると、サーバーダウンということが想定されたからだ。
そのため、同社では価格を半額にするかどうかなども検討したという。最終的に神宮司氏の迷いを断ち切ったのは、技術担当の従業員の心強い言葉だった。「24時間サーバーを監視します! という言葉を聞いたとき、正直鳥肌が立った。じゃあ、無償で提供しようと」(神宮司氏)。
無償提供開始後、AppStoreでの掲示板の書き込みには感謝の声が続いた。なかには無料ダウンロードで浮いた2300円を義援金に当てようという声も大きく「日本全国の多くの人が何かしたいという思いがあると感じた」(神宮司氏)。
掲示板での書き込みは、今後のアプリ開発にも生かされる予定だ。たとえば、『MapFan』のように日本全国を対象にしたアプリではなく、エリアを関東地方などに限定したアプリの開発を検討しているという。
同イベントでは、4001fieldの加賀谷友典氏、ITジャーナリストの津田大介氏、松村太郎氏の3者による震災とテクノロジーについてのディスカッションも行われた。
ディスカッションのなかで津田氏は、震災後のコミュニケーション手段としてTwitterが機能し、ソーシャルメディアの有用性の高さを指摘。一方で、Twitterのタイムライン上には"デマ"が流れたり、被災地ですでに対応済みの情報がリツイートされ続けて、支援活動の妨げになりうる情報があったというマイナス面にも言及した。
松村氏もTwitterの有用について言及した。ツイートには"デマ"情報とされるものも多かったが、「情報はないよりもあったほうがいい。冷静な判断を下すには、Twitterのようなメディアが必要だ」と話した。
また、震災後、一連の動きを見ていく中で、津田氏はキャリアごとに分かれた災害用伝言掲示板の機能を統一するべきだと提言した。その上で、ユーザーが伝言板に情報を書き込む際に、GPS情報を付け、Twitter、Facebookなどといったソーシャルメディアに情報を同時投稿する仕組みの構築を訴えた。「今、どこで誰が困っているのか、ジオタグをつけることで、相当確度の高い情報を入れることができる。テクノロジーができることはまだまだある」(津田氏)。
なお、4001fieldでは、今回のイベントに続き、Yahoo! JAPANにてチャリティーオークションを実施、オークションでの売上はすべてNPO法人映像支援プロジェクトチーム テレビくんを通じて、被災地支援の資金に充てられる。