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iPad*iPhone導入事例

職場に入り込んだiPad──診察・ドレス選び・取材で使う人たち

大澤昌弘 2010/12/14

iPadは仕事でどう活用されているのか。12月10日、Apple Store, Ginzaで行われたAppBank主催のトークイベント『iPhoneアプリ勉強会第7回:仕事の現場で活躍するiPad』では、スポーツ紙の取材現場、ウェディングドレスの販売店舗、医療現場でのiPad活用法について講演が行われた。

野球場でiPadを活用しつぶやき続ける

日刊スポーツ新聞社福田豊氏

ウェブサイト、ニッカンスポーツ・コムの編集を担当しながら高校・大学野球の現場取材もこなす日刊スポーツ新聞社の福田豊氏。同氏は取材現場に出たときに、Twitterを使って野球の試合を実況したり、ニッカンスポーツ・コム掲載の最新記事を知らせたりしている。その際に使用している端末がiPadだ。

取材時にはノートパソコンも使っているというが、同氏はiPadの利点について"機動力"を挙げる。一日稼動する長時間バッテリー、持ち運びのしやすさをメリットとして感じているとのことだ。

入力端末としても申し分なく、ネットを介して他球場の試合結果を把握でき、情報を収集することが可能。そうした使い勝手の良さからiPadを活用しているという。

ドレス選びがスムーズに

ブライダル事業を展開するノバレーゼでは、ドレスショップ39店舗にウェディングドレスの画像、動画を入れたiPadを導入した。それ以降、顧客のウェディングドレス選びが以前にくらべスムーズになったという。

会場でデモンストレーションを行ったノバレーゼの高村有紀さん

iPad導入以前、顧客はカウンセリングルームでドレスを選び、それからドレスラックに移って試着していた。ドレスの写真を見ることができるのは、カウンセリングルームのみ。これがiPadを導入したことで変わった。ドレスラックでも画像や動画を参考にドレスを選べるようになった。

iPadに入っている画像は拡大でき、素材の細かな部分まで見られるようになっている。併せて動画を参考にすることで、利用者はドレスを試着した様子をイメージしやすくなった。画像でドレスのシルエットを確かめつつ、それでもわからない部分を実物で確認していくことを可能にした。

その結果、「フィッティング時のイメージのズレが小さくなり、以前よりもスムーズにドレスをお選びいただけるようになりました」(高村有紀さん)。

さらにはブーケなどの小物類の画像もiPadに入っており、ドレス以外のアイテムを含めて提案の幅が広がったと指摘する。また、それ以外の思わぬ効果も。iPadが興味を引くのか、「以前よりも積極的にドレス選びに参加してもらえるようになりました」(高村さん)。iPadの導入が大きな変化を生み出した事例といえるのではないだろうか。

iPad問診票で業務を効率化

最後は医療の現場。iPadを活用する習志野台整形外科内科の事例だ。同院では、診察待ち患者にiPadを貸し出すほか、iPad問診票を活用したり、動画を使った病状説明を行なったりしている。ここではiPad問診票を中心とした取り組みを紹介しよう。

貸し出し用のiPad。人体を映した壁紙は病院らしい?

iPad問診票はスタイラスペンで記入

習志野台整形外科内科には来院患者が多く、診察をより効果的なものにするために、業務の効率化が必須だった。そこで考え出したのが、iPad問診票だった。

同院の問診票にはふたつの特徴がある。ひとつは、記入漏れがあると完了できない仕組みになっていること。紙の問診票では記入漏れが非常に多かったことが理由だ。診察時に問診票の内容を聞き出す時間を減らすためにも、iPad問診票は役立っているようだ。

しかしながら、なかには高齢者などITに不慣れな人もおり、すべての人が活用できないことも想定される。その点についても「60代までの人は使えました」(宮川一郎院長)とのことで問題はないようだ。

宮川一郎院長

もうひとつの特徴は、問診票がPCと連動していること。従来は、医師が紙の問診票をPCで入力し直して管理していたが、PCとの連動により転記の手間がなくなった。「一人当たり数分しか診察に充てられない。転記に一分かかると、説明したいこともできなくなる」(宮川氏)というのが医療現場の現実だ。転記の手間を省くことで患者への病状説明などの診療に生かせるようになるのだ。

iPad問診票の利点はそれだけではない。医師にとっても転記ミスを防げるメリットもあるという。人間である以上、ヒューマンエラーはゼロにはならない。その点を自動転記という方法で回避できるようにしている。

同院の取り組みとしてもう一点。iPadで動画を活用し、病状説明などを行っている。「短い診察時間でより多くの情報を伝えるために、iPadを何か活用できないかと考えて始めた取り組み」(宮川氏)。この取り組みはまだ一部に限られるが、患者の理解補助に役立てているという。

ただし、動画の利用にはまだまだ課題は多い。個人で動画コンテンツを制作するのは困難なこと、そして制作コストが高いことなどがある。それでも宮川氏は動画の有効性を指摘する。「患者とのコミュニケーションツールに活用したり、一般化することで医療従事者のスキルアップにもつながる」とし、医療現場で使用する動画コンテンツの充実化を強調した。

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